電験三種 R2(2020年).電力 問9
[問題]
次の文章は,避雷器に関する記述である。
避雷器は,雷又は回路の開閉などに起因する過電圧の (ア) がある値を超えた場合,放電により過電圧を抑制して,電気施設の絶縁を保護する装置である。
特性要素としては (イ) が広く用いられ,その (ウ) の抵抗特性により,過電圧に伴う電流のみを大地に放電させ,放電後は (エ) を遮断することができる。
発変電所用避雷器では, (イ) の優れた電圧-電流特性を利用し,放電耐量が大きく,放電遅れのない (オ) 避雷器が主に使用されている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
[解説・回答]
避雷器に関する知識を問う問題です。
選択肢を1つずつ見ていきます。
(ア)は波頭長か波高値が入りますが、ここは波高値が入ります。波頭長とは電圧がピーク値に到達するまでの時間のことですが、電検三種ではあまり出てこないワードです。
波高値は交流電圧の波形の振幅の最大値のことですが、この波高値が制限電圧を超えた場合に、避雷器が放電を開始することになります。
(イ)は、ZnO(酸化亜鉛)が入ります。避雷器の素材としてよく使われ、電検三種の問題としても出題されるのは、ZnO(酸化亜鉛)かSiC(炭化ケイ素)が多いです。
もう一つの選択肢の (六フッ化硫黄)は、ガス遮断器の媒体として使用されます。
(ウ)は、線形か非線形が入りますが、避雷器の目的として、電圧が制限値を超えたときに一気に電流を流し放電する必要がありますので、ここは非線形となります。
(エ)は、放電後には避雷器に流れる電流を遮断する必要がありますので、ここは続流となります。
(オ)は、避雷器の種類にはギャップ付きタイプかギャップレスタイプがあります。発変電所用避雷器には、ギャップレス避雷器が使用され、配電用にはギャップ付きが多く使用されています。
従って、ここではギャップレスが入ります。
ここまでを纏めると、(ア)は波高値、(イ)はZnO、(ウ)は非線形、(エ)は続流、(オ)はギャップレスとなります。
答え:(2)