電験三種 R3(2021年).電力 問6
[問題]
分散型電源に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 太陽電池で発生した直流の電力を交流系統に接続する場合は,インバータにより直流を交流に変換する。連系保護装置を用いると,系統の停電時などに電力の供給を止めることができる。
(2) 分散型電源からの逆潮流による系統電圧上昇を抑制する手段として,分散型電源の出力抑制や,電圧調整器を用いた電圧の制御などが行われる。
(3) 小水力発電では,河川や用水路などでの流込み式発電が用いられる場合が多い。
(4) 洋上の風力発電所と陸上の系統の接続では,海底ケーブルによる直流送電が用いられることがある。ケーブルでの直流送電のメリットとして,誘電損を考慮しなくてよいことなどが挙げられる。
(5) 一般的な燃料電池発電は,水素と酸素との吸熱反応を利用して電気エネルギーを作る発電方式であり,負荷変動に対する応答が早い。
[解説・回答]
新エネルギー、再生可能エネルギーに関する問題です。
この分野は良く出題されますが、比較的簡単な問題が多いので是非正解したいですね。
(1)は〇です。ポイントは、太陽電池は直流の電力を発生させることと、インバータで直交変換することです。連係保護装置は太陽光に限らず用いられます。
(2)は〇です。これは一般知識が問われていますね。再エネの出力抑制は良くニュースにもなっています。
(3)は〇です。小水力発電では流れ込み式(=貯水せずに自然流量で発電)を用いられることが多いです。
(4)は〇です。問題文の通り洋上風力発電では直流送電が用いられることがあります。と言っても日本の洋上風力はまだ例が少なく、直流送電も使われていません。
(5)は×です。燃料電池発電は水素と酸素の反応を利用しますが、吸熱では無く発熱反応となります。吸熱してしまうと電力を作るどころでは無いですね。
答え:(5)