電験三種 R3(2021年).電力 問4
[問題]
次の文章は,電気集じん装置に関する記述である。
火力発電所で発生する灰じんなどの微粒子は,電気集じん装置により除去される。典型的な電気集じん装置は,集じん電極である (ア) の間に放電電極である (イ) を置いた構造である。
電極間の (ウ) によって発生した (エ) 放電により生じたイオンで微粒子を帯電させ,クーロン力によって集じん電極で捕集する。
集じん電極に付着した微粒子は一般的に,集じん電極 (オ) 取り除く。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
[解説・回答]
電気集塵装置に関する問題です。
かなり難しい、というかレアな問題ではないでしょうか。知っていないと解けないと思います。
電気集塵装置とは、火力発電所で燃料を燃焼する際に発生する有害な煤塵(ばいじん)を除去する装置のことです。
原理を簡単に記載すると、
・放電極(マイナス)と集塵極(プラス)の二つの電極を持っており、
・極間に高電圧をかけ、コロナ放電により放電極から放出されるマイナスイオンによって煤塵の微粒子を負(マイナス)に帯電させ、
・帯電した微粒子を集塵極に吸着し、分離・除去するものです。
選択肢を一つずつ見ていきますと、
(ア)は平板電極となります。線電極よりも吸着・捕集しやすいように平板電極を用います。
(イ)は線電極となります。放電させるためのものですので、平板電極の様な面積が不要な為、線電極を用います。
(ウ)と(エ)は、上記で記載した通り、高電圧とコロナが入ります。
(オ)は、「を槌でたたいて」となります。
以上を纏めると、
(ア)平板電極(イ)線電極(ウ)高電圧(エ)コロナ(オ)を槌でたたいて、となります。
答え:(4)