電験三種 R3(2021年).電力 問3
[問題]
汽力発電におけるボイラ設備に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) ボイラを水の循環方式によって分けると,自然循環ボイラ,強制循環ボイラ,貫流ボイラがある。
(2) 蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており,蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。
(3) 空気予熱器は,煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって,ボイラ効率を高めるための熱交換器である。
(4) 節炭器は,煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって,ボイラ効率を高めるためのものである。
(5) 再熱器は,高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し,再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので,熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。
[解説・回答]
ボイラ設備に関する知識を問う問題です。基本的内容となっているので確実に正解したい問題です。
選択肢を一つずつ見ていきます。
(1)は〇です。
循環方式については言葉で説明すると分かりにくいのですが、図を用いた分かりやすい説明のあるサイトを紹介します。
出典:E&M JOBS
(2)、(3)、(4)は〇です。問題文の通りで、ボイラに関する基礎的な知識となります。
(5)は×です。"再熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し、"の部分は正しいですが、
"高圧タービンに仕事をさせる"、という部分が誤りです。
再加熱した蒸気は、中・低圧タービンで仕事をさせます。
また、仕事をした蒸気を再熱して同じタービンに戻すのであれば、通常のランキンサイクルとなりますので、わざわざ再熱器という名前は付けませんね。
答え:(5)