電験マンのブログ

電験三種の過去問の回答・解説を掲載します。

電験三種 R2(2020年).機械 問18

[問題]
図は n 個の配列の数値を大きい順(降順)に並べ替えるプログラムのフローチャートである。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 図中の(ア)~(ウ)に当てはまる処理の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。



(b) このプログラム実行時の読込み処理において, n=5 とし, a[1]=3 , a[2]=1 , a[3]=2 , a[4]=5 , a[5]=4 とする。フローチャート中の X で示される部分の処理は何回行われるか。
正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。



[解説・回答]
プログラムに関する問題ですね。電験と関係あるんかとツッコミを入れたくなる問題です。

(a)
(ア)
フローチャートでひし形はある条件による分岐を示します。
このプログラムは配列の数値を降順に並べ替えるものですので、 a[i] <  a[j]のときに入れ替える必要があります。
従って、(ア)は a[i] <  a[j]となります。

(イ)(ウ)
(ア)で a[j]の方が大きかった際の分岐です。
手前の  m←a[i]が何を示しているかというと、 mという変数に、 a[i]を代入しています。
次に、降順に並べるために、 a[i]に a[j]の値を代入します。
その次に、 a[j]に mを代入することで、 a[i]と a[j]の値を入れ替えています。
とうことで、(イ)は a[i]← a[j]、(ウ)は a[j]← mとなります。

(b)
まずは、Xの後の処理を解説します。
jに+1をしていますが、ここではj+1がnより大きいかどうか判断しています。
NOなら繰り返し計算、YESなら下に進みます。
NOの場合は、配列の中で、 a[1]を固定して、 a[2]から a[5]まで a[1]との大小を比較していきます。

j+1がnを超えると、次にi+1とし、n-1との比較をしています。
つまり、ここでは、、 a[2]を固定して、 a[3]から a[5]と比較していきます。
iがn-1を超えるとプログラムの最後まで進み、出力します。

以上を纏めると、このプログラムでは、2つの数値を順番に比較して、左側の方が右側より小さければ入れ替えるという動作を行っています。
全ての比較を記載すると、合計10回となります。

1. a[1]と a[2]の比較
2. a[1]と a[3]の比較
3. a[1]と a[4]の比較
4. a[1]と a[5]の比較
5. a[2]と a[3]の比較
6. a[2]と a[4]の比較
7. a[2]と a[5]の比較
8. a[3]と a[4]の比較
9. a[3]と a[5]の比較
10. a[4]と a[5]の比較

では答えは10かというと、そうはなりません。
Xの処理は、左側の方が右側より小さい場合にのみ発生します。
つまり、上の10回の比較の内、左側の方が右側より小さい場合の回数が答えとなります。

プログラムを順番に見ていきます。
1. a[1 = 3]と a[2 = 1]:Xの処理は発生しない。
2. a[1 = 3]と a[3 = 2]:Xの処理は発生しない。
3. a[1 = 3]と a[4 = 5]:Xの処理発生(1回目)。 a[1 = 5]、 a[4 = 3]
4. a[1 = 5]と a[5 = 4]:Xの処理は発生しない。
5. a[2 = 1]と a[3 = 2]:Xの処理発生(2回目)。 a[2 = 2]、 a[3 = 1]
6. a[2 = 2]と a[4 = 3]:Xの処理発生(3回目)。 a[2 = 3]、 a[4 = 2]
7. a[2 = 3]と a[5 = 4]:Xの処理発生(4回目)。 a[2 = 4]、 a[5 = 3]
8. a[3 = 1]と a[4 = 2]:Xの処理発生(5回目)。 a[3 = 2]、 a[4 = 1]
9. a[3 = 2]と a[5 = 3]:Xの処理発生(6回目)。 a[3 = 3]と a[5 = 2]
10. a[4 = 1]と a[5 = 2]:Xの処理発生(7回目)。 a[4 = 2]と a[5 = 1]

ということで、Xの処理は7回発生します。

答え:(3)

電験三種 R2(2020年).機械 問17

[問題]
図は,ある周波数伝達関数 W(jω) のボード線図の一部であり,折れ線近似でゲイン特性を示している。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 図のゲイン特性を示す周波数伝達関数として,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(b) 図のゲイン特性を示すブロック線図として,最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,入力を R(jω) ,出力を C(jω) として,図のゲイン特性を示しているものとする。


[解説・回答]
ボード線図から周波数伝達関数を算出する問題です。かなり難しい問題と思います。
選択問題なので問18の方を選びたいですが、、この年の選択問題は両方とも難問だったと思います。

(a)
この問題を解くには、以下のゲイン特性の公式を覚えておく必要があります。

ゲイン特性の公式: g=20log|W(jω)|

これを確実に覚えておくのはかなり厳しいのではと思いますが、、
本問題では、上記の公式の W(jω)の部分に該当する式を求められています。
ボード線図より、角周波数 ω=0のときゲイン g=40となり、角周波数 ω=200のときゲイン g=0となる関数を選べば良いことになります。
ということで、選択肢を一つずつ見ていきます。

(1)
 g = 20log_{10}|\dfrac{40}{1+jω}| = 20log_{10}\dfrac{40}{\sqrt{1+ω^2}} となるので、
 g(0)=20log_{10}\dfrac{40}{\sqrt{1+0^2}}=20log_{10}40となり、 g(0)=40とはなりませんので、誤りとなります。

(2)
 g = 20log_{10}|\dfrac{40}{1+j0.005ω}| = 20log_{10}\dfrac{40}{\sqrt{1+0.005^{2}ω^{2}}}となるので、
 g(0) = 20log_{10}\dfrac{40}{\sqrt{1+0^2}}=20log_{10}40となり、 g(0)=40とはなりませんので、誤りとなります。

(3)
 g = 20log_{10}|\dfrac{100}{1+jω}| = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+ω^2}} となるので、
 g(0)=20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0^2}}=20log_{10}100 = 40となります。
 g(200)=20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+200^2}}≒20log_{10}\dfrac{100}{200} = 20log_{10}\dfrac{1}{2}となり、 g(200) = 0とはなりませんので、誤りとなります。

(4)
 g = 20log_{10}|\dfrac{100}{1+j0.005ω}| = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0.005^{2}ω^{2}}}となるので、
 g(0) = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0^2}}=20log_{10}100 = 40となります。
 g(200) = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0.005^{2}×200^{2}}} = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{2}}となり、 g(200) = 0とはなりませんので、誤りとなります。

(5)
 g = 20log_{10}|\dfrac{100}{1+j0.5ω}| = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0.5^{2}ω^{2}}}となるので、
 g(0) = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0^2}}=20log_{10}100 = 40となります。
 g(200) = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{1+0.5^{2}×200^{2}}} = 20log_{10}\dfrac{100}{\sqrt{10001}} ≒ 20log_{10}\dfrac{100}{100} = 0となり、ボード線図の条件に合います。

答え:(5)

(b)
この問題を解くには、ブロック線図から周波数伝達関数を求める方法覚えておく必要があります。

ブロック線図が直列のときの周波数伝達関数は以下の式になります。

               Y(s) = G(s)M(s) × X(s)

ブロック線図がフィードバックのときの周波数伝達関数は以下の式になります。

            Y(s) = \dfrac{G(s)}{1+G(s)H(s)} × X(s)

直列とフィードバックの複合となっている場合は、以下の式になります。

          Y(s) = \dfrac{G(s)}{1+G(s)H(s)} × M(s)× X(s)

以上を踏まえて、(a)の答えである \dfrac{100}{1+j0.5ω}に合う、周波数伝達関数を求めます。
(1)
 C(jω)= (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{1+\dfrac{1}{jω}・1})×40×R(jω) = (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{\dfrac{1+jω}{jω}}) ×40×R(jω) = \dfrac{40}{1+jω}×R(jω)
となり、誤りです。

(2)
 C(jω)= (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{1+\dfrac{1}{jω}・1})×100×R(jω) = (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{\dfrac{1+jω}{jω}}) ×100×R(jω) = \dfrac{100}{1+jω}×R(jω)
となり、誤りです。

(3)
 C(jω)= (\dfrac{\dfrac{1}{j0.005ω}}{1+\dfrac{1}{j0.005ω}・1})×100×R(jω) = (\dfrac{\dfrac{1}{j0.005ω}}{\dfrac{1+j0.005ω}{j0.005ω}}) ×100×R(jω)
 = \dfrac{100}{1+j0.005ω}×R(jω)
となり、誤りです。

(4)
 C(jω)= (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{1+\dfrac{1}{jω}・2})×200×R(jω) = (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{\dfrac{2+jω}{jω}}) ×200×R(jω) = \dfrac{200}{2+jω}×R(jω)
 = \dfrac{100}{1+j0.5ω}×R(jω)
となり、選択肢(4)が正となります。

(5)
 C(jω)= (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{1+\dfrac{1}{jω}・0.5})×200×R(jω) = (\dfrac{\dfrac{1}{jω}}{\dfrac{0.5+jω}{jω}}) ×200×R(jω)
 = \dfrac{200}{0.5+jω}×R(jω) = \dfrac{400}{1+j2ω}×R(jω)
となり、誤りです。

答え:(4)

電験三種 R2(2020年).機械 問16

[問題]
図1は,直流電圧源から単相インバータで誘導性負荷に交流を給電する基本回路を示す。
負荷電流 io(t) と直流側電流 id(t) は図示する矢印の向きを正の方向として,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 各パワートランジスタが出力交流電圧の 1 周期 T に 1 回オンオフする運転を行っている際のある時刻 t0 から 1 周期の波形を図2に示す。直流電圧が E [V] のとき,交流側の方形波出力電圧の実効値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  0.5E   (2)  0.61E   (3)  0.86E   (4)  E   (5)  1.15E

(b) 小問(a)のとき,負荷電流 io(t) の波形が図3の(ア)~(ウ),直流側電流 id(t) の波形が図3の(エ),(オ)のいずれかに示されている。それらの波形の適切な組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) (ア)と(エ)
(2) (イ)と(エ)
(3) (ウ)と(オ)
(4) (ア)と(オ)
(5) (イ)と(オ)





[解説・回答]
方形波の実効値や単相インバータの知識を問われている問題です。
かなり難しい問題ではないでしょうか。

(a)
これは方形波の実効値を知っているかどうかとなります。
方形波の電圧が E [V]のとき、実効値は E [V] となります。

答え:(4)

(b)
問題の図2の通りにスイッチ操作した場合の電流の流れを図示してみます。

1.時刻 t_0より前の、 S_2,S_3がオンの状態


この時、負荷電流 i_0(t)は負の値、直流側電流 i_d(t)は正の値となっています。
従って、この時点で答えは(ア)と(エ)となります。


ですが、念のため以降も見てみます。
2.時刻 t_0の直後、スイッチ S_1,S_4がオンになった直後
スイッチが切り替わった直後は、誘導性負荷が電流の向きを維持しようとします。従って、電流が還流ダイオードを流れ、以下の様な電流の向きになります。


3.時刻 t_0~ t_0+\dfrac{T}{2} 、スイッチ S_1,S_4がオンになり一定時間が流れた後
スイッチが切り替わり一定時間が経つと、電源電圧の向きに電流流れるようになります。


電流の波形は、以下のようになります。


移行の時刻は割愛しますが、スイッチが切り替わった直後は誘導性負荷の影響で負荷電流の方向を維持しようとすることは同じです。

答え:(1)

電験三種 R2(2020年).機械 問15

[問題]
定格出力 45 kW ,定格周波数 60 Hz ,極数 4 ,定格運転時の滑りが 0.02 である三相誘導電動機について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) この誘導電動機の定格運転時の二次入力(同期ワット)の値 [kW] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  43   (2)  44   (3)  45   (4)  46   (5)  47

(b) この誘導電動機を,電源周波数 50 Hz において, 60 Hz 運転時の定格出力トルクと同じ出力トルクで連続して運転する。
この 50 Hz での運転において,滑りが 50 Hz を基準として 0.05 であるときの誘導電動機の出力の値 [kW] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  36   (2)  38   (3)  45   (4)  54   (5)  56

[解説・回答]
三相誘導電動機に関する計算問題です。(a)は基礎的な内容ですが、(b)は少しひねった問題です。

(a)
誘導電動機の二次入力 P_2、滑り s、定格出力 P_0の関係は、
 P_2 = \dfrac{P_0}{1-s}で表すことが出来ます。

従って、二次入力 P_2は、 P_2 = \dfrac{45}{1-0.02} = 45.9 [kW] となります。

答え:(4)

(b)
この問題を解くには、誘導電動機のトルク、回転数、出力の関係性を理解する必要があります。
まず、誘導電動機のトルク T [N・m]、出力 P_0 [W] の関係は、角速度 ω [rad/s]を用いて、 P = ωTと表せます。
角速度 ω [rad/s]と、回転数 N  min^{-1} の関係は、 ω = \dfrac{2πN}{60}となるので、誘導電動機のトルク、回転数、出力の関係を整理すると、
 P = ωT = \dfrac{2πN}{60}Tとなります。

従って、この問題で求められている誘導電動機の出力は、トルク T と50Hzでの回転数 N を求めることで答えを出すことが出来ます。

まずは、定格出力トルクを求めます。
問題文より 60 Hz 運転時の定格出力トルクと同じ出力トルクとなります。
60 Hz 運転時の定格出力トルクは、定格出力45kWという情報と、滑り0.02から定格速度を求めることで算出出来ます。
ここで、定格速度を求めるプロセスも2段階考える必要があります。
まず、誘導電動機の定格速度 Nは、同期速度 N_s、滑り sを用いて、 N = N_s(1-s)となります。
同期速度 N_sが未知ですが、極数 pと、周波数 f [Hz]を用いて、 N_s = \dfrac{120}{p}f min^{-1})となりますので、
 N_s = \dfrac{120}{4}×60 = 1800 min^{-1})となります。
従って、定格速度 Nは、 N = N_s(1-s) = 1800(1-0.02) = 1764 min^{-1})となります。
最後に、定格出力トルク Tは、 T = \dfrac{P}{ω}より、 T = 54 ÷ \dfrac{2π×1764}{60} となり、これを計算すると、 T = 0.244 [kN・m]となります。


これで、50Hz下でのトルクが求められましたので、次に50Hzでの回転数を求めます。
これは、上記と同じプロセスで、まず50Hz下での同期速度を求めます。
 N_s = \dfrac{120}{4}×50 = 1500 min^{-1})となります。
次に、滑り0.05から定格速度を求めます。
 N = N_s(1-s) = 1500(1-0.05) = 1425 min^{-1})となります。

最後に、 P = ωT = \dfrac{2πN}{60}Tの式から、出力を求めます。
 P =  \dfrac{2π×1425}{60}×0.244 = 36.4 [kW]となります。

答え:(1)

電験三種 R2(2020年).機械 問14

[問題]
入力信号 A , B 及び C ,出力信号 X の論理回路の真理値表が次のように示されたとき, X の論理式として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。




[解説・回答]
真理値表に関する問題です。
この問題を解く方法は、
1.選択肢の論理式に数値を当てはめて真理値表を満たす式を求める方法と、
2.カルノー図を用いて論理式を求める方法があります。
カルノー図を用いる解き方を覚えていれば2の方法で良いのですが、1の方法は時間が掛かるものの確実に正解出来ます。

今回は1の方法で解いてみます。
順番に論理式の解とXの値を見比べていきます。
選択肢(1):
1行目→論理式:0+0+0 = 0、X:0 →正
2行目→論理式:0+0+0 = 0、X:1 →誤
ということで、(1)は誤りです。

選択肢(2):
1行目→論理式:0+0+1 = 1、X:0 →誤
ということで、(2)は誤りです。

選択肢(3):
1行目→論理式:0+0+0 = 0、X:0 →正
2行目→論理式:0+1+0 = 1、X:1 →正
3行目→論理式:0+0+1 = 1、X:0 →誤
ということで、(3)は誤りです。

選択肢(4):
1行目→論理式:0+0+0 = 0、X:0 →正 2行目→論理式:0+0+1 = 1、X:1 →正 3行目→論理式:1+1+1 = 1、X:0 →誤 ということで、(4)は誤りです。

選択肢(5): 1行目→論理式:0+0 = 0、X:0 →正
2行目→論理式:0+1 = 1、X:1 →正
3行目→論理式:0+0 = 0、X:0 →正
4行目→論理式:0+1 = 0、X:1 →正
5行目→論理式:0+0 = 0、X:0 →正
6行目→論理式:0+1 = 1、X:1 →正
7行目→論理式:1+0 = 1、X:1 →正
8行目→論理式:1+1 = 1、X:1 →正
ということで、(5)は正しいです。

答え:(5)

電験三種 R2(2020年).機械 問13

[問題]
熱の伝導は電気の伝導によく似ている。下記は,電気系の量と熱系の量の対応表である。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。


[解説・回答]
電機系と熱系の対比に関する問題です。
あまりこの様な比較・整理をする状況は無いと思いますが、問題としては簡単な部類です。

(ア):電圧 V[V]に対応する熱系の量ですが、単位がケルビン[K]となっているので、温度差θとなります。

(イ):電流I[A]に対応する熱系の量ですが、単位がワット[W]となっているので、熱流Φとなります。

(ウ):電気抵抗R[Ω]に対応する熱系の量である熱抵抗 R_Tの単位を求められています。オームの法則 R = \dfrac{V}{I}と対比してみると、 R_T = \dfrac{θ}{Φ}となり、単位は \dfrac{K}{W}となります。

(エ):静電容量C[F]に対応する熱系の量である熱容量Cの単位を求められています。静電容量と電荷の公式 Q = CVと対比してみると、 Q = Cθとなります。従って、熱容量Cの単位は、  \dfrac{J}{K}となります。

答え:(2)

電験三種 R2(2020年).機械 問12

[問題]
教室の平均照度を 500 lx 以上にしたい。ただし,その時の光源一つの光束は 2400 lm ,この教室の床面積は 15 m×10 m であり,照明率は 60 % ,保守率は 70 % とする。
必要最小限の光源数として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 30
(2) 40
(3) 75
(4) 115
(5) 150

[解説・回答]
照度計算の問題です。基本的な公式を理解していれば解ける問題です。
照度計算の分野は、他の分野とリンクしておらず、どうしても勉強する際に後回しにしてしまいがちと思いますが、一度理解すれば簡単な内容です。

証明の分野で良く出題される物理量と公式を纏めると以下のようになります。



また、それぞれの物理量を図にすると以下のようになります。


以上を踏まえ、問題を解きたいと思います。
求められている値は平均照度500lxを満たすための光源の数です。
光源一つの光束と床面積が問題文より与えられているので、照度の公式 E = \dfrac{F}{A}より、光束 F [lm]を求めることで必要な光源の数を求めることが出来そうです。

また、照明率、保守率という値が与えられています。これらの言葉の定義は分からなくても、意味はおおよそ予想できそうですが、一応以下に記載します。
・照明率とは、光束の何割が照射面に届くかを示す割合です。
・保守率とは、光源の経年劣化やほこりなどによる光束の低下を見込むための係数です。
つまり、光源からの光束の低下割合を考慮して光源の個数を決定する必要があるという事です。

以上より、必要な光束 F [lm]は、
 F = 500 × 15×10 ÷ (0.6 × 0.7) = 178,571 [lm] となります。

最後に、必要な光源の数は、
 \dfrac{178,571}{2,400} = 74.4 [個]となります。

光源の数は74.4以上必要ですので、選択肢より75個となります。

答え:(3)