電験マンのブログ

電験三種の過去問の回答・解説を掲載します。

電験三種 R2(2020年).電力 問4

[問題]
次の文章は,原子燃料に関する記述である。

核分裂は様々な原子核で起こるが,ウラン 235 などのように核分裂を起こし,連鎖反応を持続できる物質を (ア) といい,
ウラン 238 のように中性子を吸収して (ア) になる物質を (イ) という。
天然ウラン中に含まれるウラン 235 は約 (ウ) % で,残りは核分裂を起こしにくいウラン 238 である。
ここで,ウラン 235 の濃度が天然ウランの濃度を超えるものは,濃縮ウランと呼ばれており,濃縮度 3 % から 5 % 程度の (エ) は原子炉の核燃料として使用される。



[解説・回答]
原子炉の核分裂反応や、原子力発電の燃料となるウランの知識を問う問題です。
この問題も問3と同じく知識として持っておかないと回答できない問題です。

選択肢を1つずつ見ていきます。

(ア)は、核分裂を起こし、連鎖反応を持続する物資は、その名の通り"核分裂性物質"と言います。

(イ)は、ウラン238のように中性子を吸収して核分裂性物質になる物質を"親物質"と言います。尚、ウラン238中性子を吸収してもウラン235になる訳ではなく、プルトニウム239という物質になります。

(ウ)は、ウラン235の天然存在比は約"0.7"%となります。尚、天然ウランの内、約99.3%がウラン238となります。

(エ)は、濃縮度3~5%程度の濃縮ウランは、"低濃縮ウラン"と言います。尚、ウラン235の濃度が20%以上のものを高濃縮ウランと言います。高濃縮ウランは原子爆弾や、原子力推進艦艇などに使用されます。ということで高濃縮ウランは電験三種で出てくることはまず無いと考えられます。

ここまでを纏めると、(ア)核分裂性物質(イ)親物質(ウ)0.7(エ)低濃縮ウラン となります。

答え:(2)